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境界杭を取られて分からなくなってしまった

境界杭、金属標などの境界線を明らかにする目印をわざと取ってしまったり、勝手に移動することは大変重い罪で、境界の損壊という罪で刑法によって最高で懲役5年に罰せられます(刑法262条の2)。土地の所有権を奪い取る目的で杭を動かしたのであれば、これは窃盗と同じなので、不動産侵奪というさらに重い罪に問われます(同235条の2)。

一方、悪気もなく、何かの拍子につい動かしてしまったりだとか取れてしまったのであれば、これは、うっかり事故と言え、元に戻してもらえればいいわけです。
 ただ、境界杭については個人個人が互いにその位置を特定する資料を持っていることは少ないので、元に戻したつもりが「もっとこっちだったのでは」などと、その時になってもめる原因にもなるので、土地家屋調査士などが調査した資料とそれらに関する所有権者の同意がなければ境界の確定はできません。

境界標の設置費用は、なくなった原因が明らかに誰かの過失・故意によるものであれば、その方が費用を負担することでよいと思いますが、いつの間にかなくなっていた場合、あるいは最初からなかった所に設置する場合などの費用は平等の負担だと民法で定められています(民法223・224条ただし境界設置のために必要な測量は所有地の面積割合に応じて負担)。また、維持費用も平等負担としなければなりません(同224条)。境界についてはこのように非常に平等かつ厳しく規定されています。

境界がどこにあるのかは地積測量図という図面で法務局に登記しておくことが出来ます。
将来トラブルにならないためにも、事前に境界立会して地積測量図などの合法的な資料を作っておくことが大事です。

関連法規  
◇不動産登記法 民法 刑法など