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買った食品で食中毒を起こした時

食中毒(故意に毒を混入されたことによる毒物中毒とは違い、食品の不衛生等の理由による食中毒)が、家庭での保管や調理に問題がないのに発生したとしたら、その食品を買った時点ですでに食中毒の原因がその食品に発生していた可能性があります。

この場合はまず病院等、あるいは本人を通じて保健所に連絡が行き、原因が何であるかが調査されます。したがって原因を特定するためにも、考えられる食品の残り物や包装紙など、関係するものは極力保管するようにしなければなりません。

被害者としては、販売店、メーカー、あるいは流通経路などどこがいけなかったのかなどまでは直接突き止めることは出来ませんから、そこまで知らなくても損害賠償を請求できます。

販売店は安全な食品を売る義務がありますから、その義務を怠った責任として損害賠償をしなくてはなりません(民法415条)。

メーカーは欠陥品を出荷したことによって、人に損害(食中毒)を与えたのですから、製造物責任法によって損害賠償をしなければなりません(製造物責任法3条)。

食品についてはとりわけ生命に直接関わる大きな損害となることがあるので、安全に配慮する義務を怠った過失責任をメーカーに問うことも場合によっては出来ます(民法709条)。

販売店とメーカーは連帯責任を負わなければなりませんから、被害者は両方に損害賠償を請求できるケースが多くあります。

いつどんな食べ物を食べたか、どんな時に症状が出たかなど詳細に記録しておき、その数日間に食べた食品や包装紙などはなるべく保管しておいて、保健所の検査を受けることが大切です。

関連法規  
◇民法 製造物責任法など